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GIST関連遺伝子解析

GIST(Gastrointestinal Stromal Tumor : 消化管間葉系腫瘍) は消化管全般に幅広く発生し、日本においては年間10万人に2~3人程度の発症率と言われており、臓器別発生頻度では、胃が約60%と最も多く、次いで小腸が約30%、大腸が約5%程度と考えられています。一般的にGISTに対する治療は、切除可能な場合は外科的手術を選択しますが、切除不能もしくは再発GISTに対してはチロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブが使用されます。さらに、イマチニブ耐性GISTについては、2008年6月にスニチニブの適応が承認され、新たな分子標的薬のオプションが選択できるようになりました。このようにGIST症例に対する治療方針決定のための補助手段としてc-KIT遺伝子変異解析は有効であると言われています。

GISTとc-KIT遺伝子変異

GIST症例では細胞増殖に関わる細胞膜上の受容体タンパク質KITが、c-KIT遺伝子の高頻度な突然変異により、異常な増殖シグナルを伝達し続け、腫瘍化すると考えられています。特にc-KITの遺伝子変異は、分子標的治療薬の感受性や腫瘍の悪性度に関係することが報告されています。

変異の検出頻度

c-KIT遺伝子変異と薬剤感受性

GIST症例のc-KIT 遺伝子変異にはいくつかのパターンがあり、Exon11で変異が起こった場合はイマチニブの治療効果が高く、Exon9の変異ではやや効果が劣り、逆にExon17の変異に対しては、治療効果が得られにくいということが近年の研究により示唆されています。また、腫瘍の中には、二次的遺伝子変異が起こることで新たに薬剤耐性を獲得する場合があり、特にチロシンキナーゼ領域に変異が確認された場合、スニチニブの使用が検討されています。

本解析の概要

検査項目名解析領域検体量保存条件 所要日数 保険点数
c-Kit 9/11セット c-KIT遺伝子Exon 9, 11
のシークエンス解析
■組織:25mg
■未染スライド(10μm厚):5~10枚
■組織:凍結
■未染スライド:常温
10~18日 2,500点
検査項目として、c-KITセット(c-KIT遺伝子のExon 9, 11, 13, 17 の4領域を解析)及びPDGF-Rαセット(PDGF-Rα遺伝子のExon 12, 18 の2領域を解析)についても、受託いたしておりますので、ご用命の際は別途ご相談ください。
ご出検に際してのご注意
  1. ご提出いただく腫瘍組織検体には組織全体に占める腫瘍部位の割合が40%以上となるものを選び、ご提出下さい。
  2. 未染色スライドの場合で腫瘍部位の割合が40%に満たない場合には、腫瘍部位をマーキングしたHE染色済みのスライドと共にご提出下さい。
  3. 未染スライドの場合には、ホルマリン固定の影響によるDNA分解のため、PCR不能になる場合がございます。
    その場合も、検査実施料を申し受けますので予めご了承ください。

保険点数

本検査は、厚生労働省保険局からの通達により、下記の要領にて保険点数が適用されております。

D004 - 2 悪性腫瘍組織検査
1 悪性腫瘍遺伝子検査
 ヘ c-KIT遺伝子検査  (2,500点)
<一部抜粋>
  1. 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査は、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とし、PCR法、SSCP法、RFLP法等を用いて、悪性腫瘍の詳細な診断及び治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った、≪中略≫消化管間葉系腫瘍におけるc-KIT遺伝子検査について、患者1人につき1回に限り算定する。
  2. 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査を算定するに当たっては、その目的、結果及び選択した治療法を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

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